「平成」となって30年。この30年間の社会背景を振り返りながら、人の意識はどのように変化し、これからどのような方向に向かうのか分析を行ないました。第二弾として「高齢化による意識変化」について発表いたします。
■調査概要■
調査名 | CORE1988~2018 マスター調査 |
調査地域 | 首都圏40km圏(調査地点 200地点) |
調査対象 | '02年まで18~69歳、'03~'12年18~74歳、'13年以降18~79歳男女個人 |
サンプル数 | 有効回収 3000サンプル (人口構成比に合わせて、性×年代別を割付) |
サンプリング手法 | 住宅地図を用いたエリアサンプリングで抽出 |
調査手法 | 訪問・郵送併用の自記入式留置調査 |
調査実施時期 | 毎年1回 10月実施 |
※『CORE』は、株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントの登録商標です。
※1982年から約 30年、生活者理解のために毎年実施している自主調査です。
調査結果
◇平成30年間で年配層は「元気」に、若者は健康への自信が低下
バブル期は若者(20-40代)が元気、年配層(60代)が「健康に自信なし」だったが、現在は70代、60代の方が健康意識が高くなっており、逆に元気がなくなってきた若者世代との意識の差がなくなっている。(図)
◇健康に対する意識は、社会の健康状況(背景)と連動
「テロ」や「大震災」といった未曾有の出来事と連動して、健康意識も低くなる傾向がみられる。(図)
R&D 生活者インサイト
◇国とともに老いてく国民の「健康感」、逆に若返る年配層、現役世代にとって平成は「ストレス」の時代
「人生100年時代」に突入し、高齢者に対する意識も大きく変わったのが平成時代です。国全体は年々年老いていき、社会保障や医療問題では「世代間格差」、政治では「シルバー民主主義」と、若者の将来不安を助長しているとの指摘もあります。
世代間の話題では「分断」という課題があります。平成時代に入り、日本のシニア層は見た目も心も若返るといった前向きな姿勢がみられるのに対して、いまだに「高齢者は弱者」といった価値観で向き合うことで分断が生じているのではないでしょうか。
また、健康に対する意識には社会の健康状況(背景)と大きく関わりのあることも見えてきました。平成時代の現役世代にとって、「就職難」や「雇用の不安定」といった「ストレス」が健康に多く関係してきたのも平成時代であると言えます。
◇「シームレス社会」だからこそ「高齢化の考え」を打開する
世代間では分断を煽ることは多いですが、今後、日本において、年齢によるセグメントでは市場の成立はますます難しくなっていきます。実年齢でなく、自分にとっての「年齢」で生きてくことも一つの考え方かもしれません。また、趣味など夢中になれることのような「好き」という思いには年齢の垣根は関係しません。
本連載では、これからの時代を「シームレス社会」と読み解きました。企業と生活者との関係だけでなく、人と人との関係もフラットになり、様々な水準がフラットネス、ボーダーレスな方向へと進んでいます。特にテクノロジーの進化によって社会全体が、「シームレス」なものへと向かっています。
これからの「人生100年時代」社会にとって、「高齢」に対する意識こそシームレスに進めることが必要なのではないでしょうか。「こうあるべき」といった常識だけに捉われず多様な価値観と柔軟な受容性を持つことが「シームレス社会」に必要な条件なのかもしれません。
調査結果 グラフ(一部抜粋)
調査結果の詳細は、無料ダウンロードレポート『平成30年間のリサーチデータから見える、これからの社会の兆し ~【第二弾】国自体が高齢化する一方で「シニア」の定義もシームレスに~』をご覧ください。
本リリースで取り上げた結果以外に、以下の内容を掲載しております。ぜひこちらもご覧ください。
(弊社ホームページ https://www.rad.co.jp/report_list/20181128/ よりダウンロードいただけます)
◇平成ヒストリーの変遷
・社会・くらし
・高齢化・介護
・家族
◇世界の中位年齢
◇日本における年齢別死亡数
◇「シニア」だと思う年齢
・平均年齢
・各年代別での平均年齢
◇実年齢に比べてどのくらいに見られるか
※第一弾の調査結果はこちら>>https://www.jma2-jp.org/article/jma/k2/categories/496-rd-181019
■会社概要■
会社名: 株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント
所在地: 〒163-1424 東京都新宿区西新宿3-20-2
代表者: 代表取締役社長 松田 武久
資本金: 30,000千円
設立 : 1968年1月17日
URL: https://www.rad.co.jp
事業内容:マーケティング・リサーチの企画設計、実施及びコンサルテーション
経営・マーケティング活動の評価及びコンサルテーション
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<例>「(株)リサーチ・アンド・ディベロプメントが実施した調査によると・・・」
●本分析担当:
株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント カスタマーサービス本部(堀)
●本資料に関するお問い合わせ:
株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント セールスプランニング部(小林)
TEL:03-6859-2281 e-mail:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。