コロナ禍の意識・行動は、個々の基本欲求の方向性を色濃く反映 -新型コロナ経験後の生活意識調査より-

コロナ禍の意識・行動は、個々の基本欲求の方向性を色濃く反映 -新型コロナ経験後の生活意識調査より-

全国の20~39歳男女を対象に、新型コロナウイルス流行下における生活の変化と今後の意識について調査を行い、独自の生活価値観クラスター「ポテンシャル・ニーズ・クラスター」(図1、2)により、新型コロナ禍での価値観の違いによる意識や行動の差異を分析しました。

 

調査結果

 

◇家族との時間や家庭内の空間を大切にするのは、人とのつながり欲求の強い「トレンドキャリアー」。(図3、4)

トレンドキャリアーに属する20~30代は、比較的楽観的な人が多く、コロナ禍の中でも“みんなと協力して頑張ればなんとかなる”という考え方を持つ。家族も含めた人とのつながりを重要視しており、コロナ禍においては、自炊、家族での食事、家族とのコミュニケーションが以前より増えた割合は、他クラスターに比べ非常に多い。

 

◇積極的に情報収集し、新しい取り組みや試みにチャレンジする、明るく外交的な「トレンドセッター」。(図3、4)

新しい商品や情報に飛びつく前向きなクラスター「トレンドセッター」は、明るい未来を切り開くために努力する層。コロナ禍の生活では、動画サイトや地上波ニュースによる情報収集、電子マネーの利用が他のクラスターに先んじていた。オンライン飲み会の参加率も高かったが、今後の継続利用意向は低く、一時的な流行に留まる可能性が高い。

 

◇周囲を気にせず、自分が良いと思うことに突っ走る「ムードメーカー」はストイックに身体を鍛える。(図3、4)

人が何と言おうが、何をしようが関係ない「ムードメーカー」は、この先に向けて、自分が正しいと思うことにまい進し、努力もいとわない。コロナ禍で家にいる時間を無駄にしたくないため、自宅で筋トレやヨガなどで体を鍛える時間が増えていた。

 

R&D's View


◇コロナ禍にあって、人々の意識や行動は、基本的生活欲求の方向性に沿う傾向が平常時より顕著に表れた

消費価値観ポテンシャル・ニーズ・クラスター(PNCL)は、生活における基本的な欲求の方向性によるクラスターであり、生活における行動範囲、人とのコミュニケーション、あるいは生き方そのものの基盤であると考えられます。

新型コロナウイルスという未曽有の緊急事態に直面したときに、人々の意識や行動は、生活欲求の方向性を平常時よりもさらに色濃く反映し、そのためにクラスターごとの差異が顕著に表れていました。

 
◇各クラスター(20~30代)の特性を踏まえて、アフターコロナの商品・サービス開発のターゲットを検討

今コロナがもたらした不安や心の傷は、環境や状況により人それぞれで、個別の対処は困難といえます。しかし基本欲求クラスターごとに、欲求の方向性を反映する共通要素が少なからずあるとみられ、それに対して政府、自治体、企業が適切な手を差し伸べることで、効果的な不安解消・軽減ができ得ると考えます。

With コロナ、アフターコロナの生活を支える商品やサービスの在り方についても、これまでに顕在化しているニーズの延長線上で捉えるだけでなく、基本欲求にもとづいて求める生活の形(誰と、いつ、何を、どのようにしたいのか)を実現するための提案が求められるのではないでしょうか。

 

クリックして拡大(図1~4)

 

その他の調査データを含め、無料ダウンロードレポート「生活価値観の違いによる新型コロナの影響差」には、以下の内容を掲載しています。

●「ポテンシャル・ニーズ・クラスター」の解説
●新型コロナウイルス感染症の流行による行動の変化と今後の定着(ポテンシャル・ニーズ・クラスター別)
●新型コロナウイルス感染症の流行下における不安要素(ポテンシャル・ニーズ・クラスター別)
●今後の期待や心配事/自由回答より(ポテンシャル・ニーズ・クラスター別)

調査概要

 

調査地域

全国

調査対象

20~39歳男女

サンプル数

合計1,350サンプル

調査実施時期

2020年5月22日~25日

調査実施機関

株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント

サンプル数内訳

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<例>「(株)リサーチ・アンド・ディベロプメントが実施した調査によると・・・」


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