調査結果
◇外食は「増やしたい」が「テイクアウト・デリバリー」は減らしたい。(図1)
外食は「増やしたい」が「テイクアウト・デリバリー」は減らしたい。(図1) 新型コロナウイルスの流行による行動の変化と、今後その状態を続けたいかを聞いたところ、外出自粛により減った「外食」を、今後は戻していきたい(流行前に戻したい)と回答した人は全体で35%であった。特に女性は51%と、男性の39%より10ポイント高い。一方、「テイクアウトやデリバリー」は、流行前より増えたものを減らしたい(流行前に戻したい)という人が多い。
◇小さい子のいるママは日々の食事づくりには消極的だが、趣味としての料理には積極的。(図2)
「自炊」が増えたことに対して、小学生以下の子供を持つ父親層では、「今のままが良い」が「流行前に戻したい」を上回るが、逆に母親層では流行前に戻したい割合が多い。ただし、この層は「趣味としての料理・菓子づくり」が増えたことに対しては、現状維持を望んでおり、“義務として”の料理には消極的だが、“趣味として”の料理には積極的な様子が窺える。
◇働き方意識の変革は50代を境に違いあり。(図3)
増加した「在宅勤務」に対して、20~40代は今後も現状のままでいいとする割合が多いのに対し、50代では流行前に戻したいとする人の方が多い。また、オンライン会議が増えたことについても、20~30代は続けたいとする人の方が多いが、50代は以前に戻したいとする方がやや多い。50代を境に、新しい働き方への考え方に格差が生じている。
R&D's View
◇「こうあるべき」がリセットされた。
この数ヶ月、我々は急激な生活の変化に対応するべく、自分の生活に「本当に必要なこと」は何かを繰り返し考え、工夫を重ね、徐々により快適な状態を手に入れて来たように思います。このような試行錯誤を経て、「なんとなくこうあるべき」と思っていた既成概念がリセットされ、それぞれの人にとっての「こうありたい」姿が見えてきたのではないでしょうか。世代やライフステージによる違いを分析すると、「場」と「プロセス」の価値に変化が生じてきたようです。
◇「場」と「プロセス」の価値の再検討。
「減った外食は元のように増やしたい」一方で、「増えたテイクアウト・デリバリーは減らしたい」という結果でした。この差は、外食には「プロの味」だけでなく、「友達や家族とのコミュニケーションの場」という価値があるためと考えられます。「職場」については、若い世代は仕事の「場」としての必要性に疑問を持ち始めています。
50代以上が、「職場」を“共に仕事をする場”として必要と捉えているのとは、仕事への向き合い方が異なるからではないでしょうか。また、日々の食事の仕度には合理性を求めても、趣味としての料理・菓子づくりに前向きに取り組めるのは、「プロセスを楽しむ」という価値に違いがあるからと言えます。
◇価値観の違いを認め、共存の道を探る。
緊急事態宣言下での生活の変化は、当たり前を見直し、「生活価値」を改めて考える機会となりました。“withコロナ”生活の中で、今後ますます「なんとなくこうあるべき」はなくなり、自分にとっての本当の目的・ニーズを見つめ、色々なものがより厳しく取捨選択されていくことが予想されます。
個人個人の価値観の違いが明確になれば、「なんとなくの共通認識」に戻ることは難しいでしょう。これからは、それぞれの価値観の違いを認めたうえで共存していく道を探る必要がありそうです。
クリックして拡大(図1~3)
その他の調査データを含め、無料ダウンロードレポート「新型コロナ経験後の生活意識調査」には、以下の内容を掲載しています。
●行動変化(全体/男女別/学生/末子小学生以下の子を持つ父親・母親/60代男女)
●変化した行動の定着(増加行動/減少行動)
●変化した行動への意識(外食、テイクアウト・デリバリー、自炊、趣味としての料理・菓子づくり、家族とのコミュニケーション、家族での食事、在宅での仕事、オンラインでの会議や打ち合わせ、仕事に費やす時間)
調査概要
調査地域 |
全国 |
調査対象 |
20~69歳男女 |
サンプル数 |
合計3,844サンプル |
調査実施時期 |
2020年5月22日~25日 |
調査実施機関 |
株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント |
サンプル数内訳
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