調査結果
◇キャッシュレス決済の所有・登録が進んでいないのは女性70代(図1)
男女ともに18~24歳は「クレジットカード」の所有率は低い。「クレジットカード」と「カードタイプの電子マネー」所有率を比較すると「カードタイプの電子マネー」の方が多いのは、男性18~39歳、女性18~29歳の若い層。それ以外の年代は「クレジットカード」所有率の方が高い。
◇利用している決済方法は「クレジットカード」と「カードタイプの電子マネー」が6割を超える。「スマホを使った決済(電子マネー・QRコード)」は2割程度で年代による差が大きい(図2)
現金以外に普段利用している「スマホを使った決済」は、最も高い男性20代後半で4割。年齢が高いほど利用率は低くなり、70代では1割に満たない。
◇現金での支払割合では、100%現金払いが全体で8.8%。女性70代で20%、男性60~70代は約15%と高齢者が多い(図3)
「5割以上現金」という人は、高齢者に多く、女性70代で78%、男性60代、70代も7割弱であった。また男性18~24歳も現金での支払いが多くみられ、77%が「5割以上現金」と回答。一方、現金決済よりもキャッシュレス決済の頻度が多いと回答したのは、男性25~29歳と女性40代であった。
R&D's View
◇キャッシュレス決済が伸び悩んでいる世代
弊社独自の価値観セグメント別分析によれば、先行層グループと保守層グループとでキャッシュレス比率の差が少なくなっており、キャッシュレス決済そのものは保守層まで広く浸透したようです。
しかし、日本全体のキャッシュレス化を考えるにあたり、人口の2割を超える70歳以上高齢者のキャッシュレス化は大きな課題となります。
これまでのポイント還元施策でも変わらなかった高齢者の生活にキャッシュレスを浸透させるためには、高齢者にとってのメリットを訴求していくことが必要ではないでしょうか。数字の見分けや小銭を取り出すことなく支払えるユーザビリティや、キャッシュを持ち歩いたり、自宅に置くリスクを軽減できる安心性など。高齢者にとってユーザビリティがよく、高齢の親もその子供も安心できる決済方法やサービスが求められると推察されます。
新型コロナウイルス感染リスクによる現金への不安の声も聞かれるようになっており、R&Dでは今後もキャッシュレスの動向を注視していきます。
クリックして拡大(図1~3)
その他の調査データを含め、無料ダウンロードデータ集「キャッシュレス決済に関する調査4」には、以下の内容を掲載しています。
●キャッシュレス決済の所有・登録率(性・年代別)
●現金以外に店で支払いに使う方法(ネットショッピング含む)(性・年代別)
●決済方法別金額シェア(性・年代別)
●現金での支払い割合(性・年代別)
●今後のキャッシュレス決済利用意向(性・年代別)
●現金以外に店で支払いに使う方法(ネットショッピング含む)(価値観セグメント別※)
●決済方法別金額シェア(価値観セグメント別※)
●現金での支払い割合(価値観セグメント別※)
※今回、分析で使用した価値観セグメント「ポテンシャル・ニーズ・クラスター」の詳細は、https://www.rad.co.jp/service/pncl/をご覧ください。
調査設計
調査目的 |
キャッシュレス決済の現状と今後の浸透状況・課題を把握するために実施 |
調査手法 |
郵送調査(自記入式) |
調査対象者 |
18~79歳男女 首都40km圏内在住者 リサーチ・アンド・ディベロプメントCOREモニター |
サンプル数 |
合計1,800サンプル |
調査実施日 | 2020年3月 |
調査実施機関 | 株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント |
サンプル数内訳
※『CORE』は、株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントの登録商標です。
※1982年から約 30年、生活者理解のために毎年実施している自主調査です。
「CORE2020」についての詳細は、こちらをご覧ください。
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